Project/Area Number |
10123211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
熊田 伸弘 山梨大学, 工学部, 助教授 (90161702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木野村 暢一 山梨大学, 工学部, 教授 (50029732)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | シリル化 / リン酸ジルコニウム誘導体 / 多孔体 |
Research Abstract |
これまでにリン酸ジルコニウム(α-ZrP)の層間に有機物を導入して無機-有機傾斜複合体を合成し、多孔体に応用することを試みてきた。本年度は層間のシリル化を行い耐熱性のある多孔体の合成を試みた。 α-ZrPを直接シリル化することを試みたが不可能であったので、あらがじめ層間に長さの異なるn-アルキルアミンおよびアニリンをインターカレーションしたものを出発物質としてシリル化を行った。シリル化は、出発物質をトルエン中に分散させ、これに3倍のモル比の各種のシラン化合物を加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら還流することにより行った。 種々のシラン化合物について試みた結果、現在までシリル化が確認されたものはDimethyldichlorosilane、Dimethyloctadecylchlorosilane、Dimethylphenylchlorosilane、Dimethoxymethylchlorosilane、1,2Bisdimethylchlorosilylethaneであった。Dimethyldichlorosilaneの場合、ヘキシルアミンをインターカレーとした出発物質ではシリル化は観察されなかったが、オクチルアミンをインターカレートしたものではシリル化が起こった。また、Dimethylphenylchlorosilaneの場合アルキルアミンの長さを長くしてもほとんどシリル化が起こらなかったが、アニリンインターカレーション化合物を用いることにより容易なシリル化が可能となった。したがって、中間化合物としてのインターカレーション化合物には、単に層間が広がっていることのみが必要ではなく、層間に存在する有機塩基の種類がシリル化に大きく影響を与えることがわかった。 シリル化化合物は200-400℃での共存する有機塩基の脱離後も長い層間距離を保ち、有機物が直接層と結合したa-ZrPの有機誘導体と同等かそれ以上の高い温度まで安定に有機物が層間に存在していた。さらに加熱を続けることにより、有機物は酸化などにより取り除かれ、層間距離は減少する。しかし、α-ZrPとは異なり700℃以上の温度でもZrP207を生成せず、XRDパターンより層状構造が保たれていると考えられた。これは、シランが酸化されでシリカとなり、層間でピラーを形成しているものと考えられる。1000℃で加熱した生成物の層間距離は、Si/Zr<1ではシランの種類によらず8.4Åであり、Si/Zr=1.83のDOXMCSでは12.5Åであった。酸化物架橋粘土鉱物などと比較して、格段に高い耐熱性を持っていることがわかる。このようにα-ZrPの層間に存在するOH基と有機金属を反応させることにより、新しい無機-有機複合体の合成が可能となった。
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