Project/Area Number |
10125202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 冬彦 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10219446)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ジテルペン / タキソール / 8員環 / ニヨウ化サマリウム / 全合金 / ケチル-オレフィンカップリング |
Research Abstract |
タキソールはイチイ科の植物から単離された高度に酸素官能基化された多環性ジテルペンである.強い制癌活性を示し,実用化が急がれている.そのため,効率的な不斉全合成が強く望まれている.タキソールの全合成では炭素8員環の効率的な構築が大きな課題の一つである.報告者はニョウ化サマリウムを用いる極めて効率的な中員環閉環反応を見出していた.この閉環法では,ニョウ化サマリウムによりケトンないしアルデヒドとアリルクロリドとの間でカップリング反応が進む.特に,高希釈条件が必要ないことが優れた特徴で,種々の8貝環,9員環,10員環を大変簡便に環化することができる.重水素で標識した化合物を用いて,環化反応の反応経路を調べた.その結果,ケチル-オレフィン付加経路を経る反応であると結論した.つまり,環化反応ではニョウ化サマリウムから1電子移動がまずアルデヒドないしケトンの方に起こり,ケチル-ラジカルが発生する.このケチル-ラジカルがエンド型でアリルクロリドのオルフィン部分に付加する.以上の実験結果から次のような作業仮説を立てた.つまり,ニョウ化サマリウムによるカップリング環化反応においては,アリルクロリドをケチル-ラジカル受容体と考え反応を設計すると環化がうまく進行するはずである.このような作業仮説に基づき,このタイプの分子内カップリング反応による炭素5員環,6員環,7員環の閉環を検討した.環化反応は予想したとおり良好な収率で進んだ.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)