エンイン骨格再配列反応およびそれを含む多環状骨格構築法の開発
Project/Area Number |
10125223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶谷 直人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30171953)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 環化異性化 / 骨格再配列 / 多環状化合物 / 触媒 |
Research Abstract |
本研究は、多環状化合物を単純な鎖状化合物から1段で合成する新しい素反応の開発を目的とする。今までは、アルドール反応やテリル化反応など炭素ー炭素結合形成反応を幾つも組み合わせながら天然物などを合成してきたが、骨格自体の異性化再構築を含む新しい変換反応の開発も天然物合成の一助となり得る。特に、合成が容易で単純な構造の鎖状出発物質から複雑な多環骨格をもつ化合物への一段階変換反応の開発に成功すれば、高次構造天然物の短縮合成が可能となる。すなわち複雑な骨格を構築するため今まで10数段階を要していたものが数段階あるいは一段階で達成することができることになる。ベースとなる反応は、申請者の研究グループで見い出した塩化ルテニウムおよび塩化白金を触媒とする1、6-、1、7-エンイン類の1-ビニルシクロアルケンへの変換反応である。この反応は、炭素ー炭素結合の切断と再結合を含む新しい触媒反応である。 分子内の適当な位置にオレフィン有するエンインを用いて反応を行ったところひとつの分子に4つの環を有する新規化合物が生成する反応を見いだした。この反応は、比較的単純な構造の鎖状化合物から新規な多環状化合物を一段で合成することができる。塩化ルテニウム以外にも塩化白金、酢酸ロジウムも触媒活性を有することがわかった。 本研究課題は有機合成化学的にまた触媒化学的に大きな影響を与えるだけでなく高次構造天然物合成の合成戦略の抜本的変革に結び付くことが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
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