Project/Area Number |
10125226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
山崎 祥子 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (50182481)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | セレノミリルエテン / 不斉シクロプロパン / 光学活性エステル / メントール / ケイ素1,2-シフト / [2+1]環化付加 / ルイス酸 |
Research Abstract |
不斉シクロプロパンの新しい合成法の開発は重要な課題である。最近、我々は1-セレノ-2-シリルエテン(1)と求電子オレフィンとのルイス酸存在下での反応で、ケイ素の1、2-シフトを伴う[2+1]環化付加反応により、シクロプロパン化合物が得られることを見い出した。本研究では、(-)-menthylエステルをもつ光学活性オレフィンと(1)とのルイス酸存在下のシクロプロパン化反応を試みた。(1)とメチレンマロン酸(-)-menthylエステル(2)のZnI_2存在下での反応で高収率、高ジアステレオ選択的にシクロプロパン(5)とシクロブタン(8)の混合物が得られた。(5)を既知の有用合成中間体に誘導して絶対配置を決定した。(1)とβ-エステル基置換メチレンマロン酸(-)-menthylエステル(3)をZnI_2存在下反応させるとシクロプロパンが39%の収率de92%で得られた。(1)とβ-アシル基置換メチレンマロン酸(-)-menthylエステル(4)との反応では62-84%の収率,de95%>でシクロプロパンを得た。(1)と2-ホスホノアクリル酸(-)-menthylエステル(14)とのSnCl_4存在下での反応もシクロプロパン化合物をほぼ単一のジアステレオマーとして70%の収率で与える。これらの反応における高いジアステレオ選択性は、反応初期において(2-4,14)のπ面への(1)の攻撃が立体選択的に起こり、その後の各段階において立体が保持されたものと予想される。決定した(5)の絶対配置は反応機構から予想したものと一致した。さらに、2-スルホニルアクリル酸メチルおよびエチルエステルと(1)との反応を検討し、塩化スズの存在下26-56%の収率でシクロプロパンを得た。生成物のX線解析によりC_2,Me_3SiPhSeHC-の相対配置を確定した。2-スルホニルアクリル酸(-)-menthylエステルと(1)との反応を試みたが、生成物はシクロブタンとシクロプロパンが混合物として低い収率で得られたのみで、脱・ケイ素化合物が主生成物である。
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