芳香環ラジカル求核置換反応(S_<RN>Ar)を基盤とする不斉環化反応の開発
Project/Area Number |
10125228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長尾 善光 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助教授 (20226038)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アレニルアルコール / ベンズアゼピン / 環拡大反応 / ベンゾシクロヘプテン / Heck反応 / イソキノロン / イソクロマノン / テトラロン |
Research Abstract |
当初、芳香環ラジカル求核置換反応を基盤とする不斉環化反応の開発研究に着手していたが、一連のアレニル誘導体を用いる環化反応の開発研究において興味ある研究成果が得られつつあったので、“高次構造構築の方法論の開発"としてより有用な研究課題である“アレニルアルコール誘導体の新規環拡大反応の開発"に変更して研究を展開した。われわれは従来、ルイス酸存在下における置換フェニル共役アレニルケトン系を活用する様々なエンドモード環化反応を開発し報告してきた。以下に述べる反応は強塩基あるいはPd(0)触媒存在下におけるアレニルアルコール誘導体の環拡大反応である。すなわち、各種N-置換フタルイミド体から合成したヒドロキシメチルアレニル誘導体をTHF中強塩基n-BuLi、(TMS)_2NLi、あるいは(TMS)_2NNaと加熱還流下に反応させると、各種ベンズアゼピン誘導体が高収率で得られた。本環拡大反応は塩基によるタンデムな開環-マイケル型閉環反応によって進行したと考察している。同様に、各種ヒドロキシメトキシアレニルインダノン体をTHF中HMPA存在下に(TMS)_2NLiと加熱還流下に反応させると高収率で各々対応するベンゾシクロへプテンジオン誘導体を得ることができた。次いでHeck反応を基盤とするタンデムなカルボパラデーション-複素環拡大反応を活用する新規環拡大反応を達成した。各種ヒドロキシメチルアレニルイソインドリノンをTHF中触媒量のPd(PPh_3)_4とK_2CO_3存在下にヨウ化アリールと加熱還流すると、高収率で各種オキソイソキノロン誘導体が得られた。同様の反応条件下に各種ヒドロキシメトキシアレニルフタラン体のイソクロマノン誘導体への変換、ならびに各種ヒドロキシメトキシアレニルインダノン体のオキソ-α-テトラロン誘導体への変換にも成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)