Project/Area Number |
10125238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須貝 威 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60171120)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 一級アルコール / 光学活性合成原料 / リパーゼ / 速度論的光学分割 |
Research Abstract |
本年度は、キラル一級アルコールの酵素的光学分割に関する検討を行なった。 2.メチル-1.3-プロパンジオールを原料として、ラセミ体の標題化合物及び対応するアセタートを定量的に得た。比較的人手容易な微生物起源の2種のリパーゼを用いて、アルコールに対するエステル交換反応、およびアセタートに対する加水分解反応を検討した。その結果、Candida antarctica由来のリパーゼを用いた加水分解反応が最も良好な鏡像体選択性を与えることが判明した(転換率54%において、E=35)。 E=35より、ほぼ純粋な鏡像体を得るには、転換率を60%程度まで高めれば良いと予想されたが、現実には未反応のアセタートの光学純度は期待通りに向上しないという問題に直面した。詳細に検討したところ、反応の転換率を高くするにつれて、E値が徐々に低下していくことが判明した。 筆者は、この奇妙な現象を説明する鍵として、加水分解反応の進行につれて反応系中に生成するアルコールに注目した。そこで、(S)-体のアセタートにアルコールを様々な比で添加するという条件下、酵素加水分解反応の速度を比較した。その結果、アルコールの添加により、本来優先的に加水分解される(S)-体の反応速度が大幅に低下することが判明した。 このことから、高い光学純度で生成物を得るには、転換率を低く抑えた状態で未反応原料と生成物を精製分離し、未反応原料を再度反応に供する必要があると考えられた。そこで、まず1回目の加水分解反応で転換率を53%に抑え、生成したアルコールを分離除去した。未反応アセタートに対し2回目の反応を行なうと、期待通り高いE値をもって反応は進行し、(R)-体アセタートを通算収率42%、光学純度99.2%e.e.で得ることができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)