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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
高分子膜中にナノスケールの分子間距離で存在する分子間の電荷伝搬機構を解析し,また,ホッピングによる電荷伝搬の場合に,アミノ酸残基モデル化合物が電荷伝搬距離を著しく増加することを見出した. 高分子組織体中での分子間電荷伝搬速度を,分子濃度の関数として解析することにより,機構(分子拡散機構と電荷ホッピング機構)を明らかにした.電荷を受け取った分子と高分子との相互作用が小さくて分子が拡散できる場合には拡散機構,その相互作用が小さくて分子が拡散できないときは電荷ホッピング機構で起こることを見出した.また興味あることに,同じ分子でも正電荷と負電荷伝搬では機構が異なることがあり,たとえば,ナフィオンなどのポリアニオン膜中にRu(bpy)_3^<2+>錯体を分散した系では正電荷伝搬はホッピング機構,負電荷伝搬は拡散機構であることが明かとなった. ナフィオン膜中でのRu(bpy)_3^<2+>による正電荷伝搬(ホッピング機構)において,アミノ酸残基モデルが共存すると,ホッピング距離が著しく増大する.分子間距離分布を考慮した解析式から,非共存下ではホッピング距離が1.3nmなのに対し,トリプトファンモデルである3-メチルインドール共存下では1.9nm,ヒスチジンモデルとしての4-メチルイミダゾール共存下では1.8nm,チロシンモデルとしてのp-クレゾール共存下では2.1nmであることを明らかにした.
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