水素結合に基づき自己組織化した三次元ハイブリッド金属錯体の構造と機能発現
Project/Area Number |
10126227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 秀樹 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50209441)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 水素結合 / ハイブリッド / 自己組織化 / 分子設計 |
Research Abstract |
水素結合とπ-d電子系を組み合わせた三次元ハイブリッド組織構造体の設計・制御、特に自己組織化とその形成過程に着目し、以下の2つについて研究を遂行した。 (1) アルカリ金属を含むテトラキスイミダトパラジウム錯体における無限鎖状超分子構造とその制御: 核酸塩基の一種であるウラシルとNa_2PdCl_4を4:1で反応させたところ、ウラシルがパラジウムに4分子配位した錯体の形成が確認された。この錯体分子は結晶中で無限柱状構造を形成しており、それが隣接するウラシル分子との間でスタッキングし、その結果チャンネル構造を形成していることが分かった。チャンネルサイズをコントロールすることによって、分子フィルターとしての観点からも極めて興味深い。 (2) アルギニン金属錯体に見られる自己組織化と構造制御: 水素結合に基づき自己集合的に会合体を形成するアルギニン銅錯体とジカルボキシレートとの特異的な分子会合体を見い出し、その組織構造化の過程及びその制御因子を溶液及び固体中について検討した。その結果、ジカルボン酸としてm-フタレートを用いたところ、得られた構造はL-アルギニンを用いたところ、右巻きの無限二重らせん構造を、アルギニンのD体を用いたところ、左巻の無限二重螺旋構造体が得られた。これらの事実は二重らせん構造の巻く方向がコントロールできることを示している。即ち、ジアニオンを種々選択することにより、特異な自己組織化構造体の形成を制御できることが示された。このような挙動は、溶液中でも存在することが銅錯体の代わりにパラジウム錯体を用いて検討したところ、そのNMR挙動から確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)