Project/Area Number |
10127207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 筑波大学, 物理学系, 教授 (60111580)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 量子ドット / 均一幅 / 蓄積フォトンエコー / CuCl / 閉じ込められた音響型フォノン / 二順位系 / CuBr / CdSe |
Research Abstract |
単一量子ドットの分光研究で0.1meVをきるような極めて線幅の狭い発光スペクトルが観測されるようになって、量子ドットの光スペクトル均一幅の詳しい研究が求められている。分光器によるスペクトル分解能に制限されない時間領域からの均一幅を測定する方法として蓄積フォトンエコー法を採用して微弱光を用いて量子ドットの位相緩和時間を測定した。 弱い閉じ込め量子ドットの典型例であるNaCl結晶中のCuCl量子ドットの励起子の均一幅およびその温度依存性を、極めて弱い励起光強度(量子ドット1個当たり2x10^<-6>個程度)で蓄積フォトンエコーにより測定した。実験結果は、0.7Kにおいて1μeVに達するほどの極めて狭い均一幅を示し、このことは量子ドットの特異性を物語っている。1μeVは発光寿命による自然幅にほぼ一致する。また低温領域での温度依存性はバルク結晶の励起子吸収線幅の温度依存性とはまったく異なり閉じ込められた音響型フォノンとの相互作用および極低温領域でのさらに小さいエネルギー励起である二順位系(TLS:Two Level System)の寄与の存在を示す。実際、母体をガラスにすると極低温領域で均一幅の温度依存性は異なり、このことは異なったTLSのエネルギースペクトルを示唆する。 同様な、閉じ込められた音響フォノンや、極低温領域でのTLSの寄与を示す、極めて狭いサブmeVに漸近する均一幅の温度依存性がCuBr量子ドットやCdSe量子ドットにおいても蓄積フォトンエコーにより観測された。これらの例の様に、発光寿命に加えて、量子ドット中に閉じ込めを受けた音響型フォノンと量子ドットとこれを含む母体がなす系中の微小なエネルギー励起が低温での均一幅を決定する因子となっていることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)