Project/Area Number |
10127209
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 隆多 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60251401)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 微小ジョセフソン接合 / 常伝導トンネル接合 / 巨視的量子トンネル / エネルギー散逸 |
Research Abstract |
微小ジョセフソン接合では位相のトンネルに付随するエネルギー散逸が重要である。散逸が大きくなるにつれ、トンネルレートのの抑圧は増大し、ジョセフソン接合は、散逸に依存した超伝導・絶縁体転移を示す。エネルギー散逸の代表例は、オーミックなシャント抵抗である。このエネルギー散逸のシャント抵抗の制御による超伝導・絶縁体転移に関して報告した。これとは異なるエネルギー散逸としてトンネル抵抗(サブギャップ抵抗)と呼ばれるトンネルに伴う抵抗である。トンネル抵抗では電荷が離散的に変化するのに対し、オーミックシャント抵抗では電荷が連続的に変化するという違いがある。我々は、二軸回転の斜め蒸着法と、プラズマ酸化を組み合わせることにより、トンネル抵抗の制御をした試料の作成に成功した。試料の構造はアルミニウムで形成される微小ジョセフソン接合近傍に、常伝導金属であるクロムのトンネル接合を付加した複合単一接合であり、外部環境の影響からこの接合を孤立させるために、同一基板上て複合接合のごく近傍に細長いクロム線で形成される高抵抗のリード線を形成しこれを介して測定を行った。アルミニウムのジョセフソン接合の常伝導時の接合抵抗を、量子抵抗(約6キロオーム)よりも充分高くし、外づけの常伝導接合のトンネル抵抗によりトンネル的エネルギー散逸を3キロオーム前後に調節した試料で、超伝導・絶縁体転移を観測するのに成功した。
|