Project/Area Number |
10127224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
伊藤 繁 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40108634)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 光合成 / タンパク質 / 電子移動 / クロロフィル / キノン |
Research Abstract |
生体光合成の単電子移動過程の原理を知り単電子デバイス構築に貢献するため、タンパク質系電子移動の制御法を検討した。植物と細菌、さらに従来の常識を越えた新発見の光合成系など、多様な光合成反応中心超分子構造内の単電子移動過程を以下の点につき調べた。 1. 磁場効果と電子スピン相互作用による電子移動制御:光合成光化学系1反応中心の内部では、各分子内でのスピン緩和よりも電子移動が早いので、各スピンの配向は最終状態まで保存される。レーザ閃光後1ミクロ秒でマイクロウエーブパルスをあて、その後80K及び250Kで観測した電子スピンエコーによって、人為的に導入したハロゲン化キノンなどとP700+上のスピンとの中心間距離25.3Åを得た。人工キノンもタンパク内の正しい位置に結合し、早い電子移動を行う事が示された 2. 新発見Zn-クロロフィル型光合成反応中心(細菌型)とクロロフィルd型光合成反応中心(高等植物型)」の電子移動過程: 既知の全ての光合成生物は光のエネルギーをクロロフィル(Mgを持つクロリン環色素の慣用名)でとらえ電子の流れを作り出す。好酸性細菌Acidiphilium rbrumはアンテナと反応中心蛋白どちらのバクテリオクロロフィルも中心金属がZnに変えられていた。光励起後すくなくとも1ns以内で反応中心内の電子移動が完結し、蛍光測定からは数ピコ秒での電子移動が推定された。また、パラオの海中の群体ホヤから採られた新種のシアノバクテリア型細菌、Acaryochloris marinaが近赤外の光を吸収するクロロフィルdで電子移動を行うことを明らかにした。生体光合成に異なった人工クロロフィルをいれても高能率で反応が進むことが期待される。
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