Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 雄次 東京大学, 地震研究所, 助手 (60282729)
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 助手 (30272503)
東平 光生 東京理科大学, 理工学部・土木工学科, 助教授 (50246691)
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00219205)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究の最終目標は,レベル2地震動を活断層情報から構成する試みの一つであって,内陸地震の震源域を直接モニターする技術の開発である。本研究においては,これまで開発を進めてきた地下探査技法の高度化を進めた。すなわち精密制御人工震源の性能試験を詳細なものにするとともに,多数の人工震源と地震計の時刻を一括管理するフェイズドアレイの運用に必要な波形分析ソフトの開発と試験,特にフェイズドアレイが極めて多様な波動場を生成できることから,目的に応じて最適な位相配分を決定する数学理論の開発を重点的に進めた。その骨子は以下のとおりである。 (1)精密制御震源は,非アレイの単体仕様であれば,既に国内の他機関によって試験が進められている。しかし,そのモデルは,支承の摩擦が大きいため,いろいろな問題を生じている。そこで私たちは数個の支承の方式を考案して比較設計を行って低摩擦支承を実現したのであるが,それだけ構造の精度が高まったため,耐久性が低下した虞が生じた。そこで本研究において確認試験運転の計測項目を強化した。結果として、所期の耐久性が確認された。 (2)本研究の装置によって得られるのは,放射したコヒーレントな調和波動が,地下の応力集中域=非弾性ひずみの局所化域との相互作用の結果生じると予想される散乱波であるから,これのアレイ記録から,標的の位置決めや同定された標的の動態監視のためにインバージョンを行なう必要がある。このインバージョンアルゴリズムを構築するためには,その基礎となる弾性波動の高精度計算アルゴリズムが必要である。そこで成層地盤中の波動に関する数学理論の研究を行なった。 (3)成層モデルでは近似できないまでに不均質性の強い地盤における波動場を解析するために,メガオーダーの自由度を有する大規模3次元差分法のプログラムを開発した。さらに(2)と(3)の研究結果を既往の地震記録に適用して,その精度を検討した。 (4)本研究はさらに,衛星通信を活用した広域フェイズドアレイ運用で,照射する波動エネルギーの集束を実現して,従来の速度トモグラフィ法だけでなく,散乱構造の局所的変化の検出という,実現すれば空間分解能のきわめて高い方式を開発する目的で,フェイズドアレイの運用方法の最適問題を研究した。
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