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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は、建築構造物の最大塑性応答変形に与える粘性減衰と履歴減衰の影響(減衰依存性)を理論的に明らかにして,数値解析により検証することである。まず、復元力特性の履歴エネルギー(スリップの程度)を変化させてモデルにより応答解析を行い,地震動の入力エネルギーと吸収エネルギーの釣合いにより,スリップの影響による応答変位増分を簡略に定式化できることを示した.理論的検討の前提として,地震動特性が震源に依存するフーリエ振幅と位相角で決まることを想定して,位相角特性と継続時間との関係について検討し,マグニチュード,震源距離,卓越周期が異なる地震動でも,フーリエ位相差分の頻度分布が継続時間と対応すること,また,継続時間とマグニチュードとの関係は,既往の経験式による関係に概ね対応することを確認した.擬似速度応答スペクトルの減衰依存性について理論的に検討した結果,応答スペクトルの減衰による低減は,これまで減衰定数のみに依存する量として経験式で設定されていたが,実際には地震動特性,特に継続時間により異なることを示すとともに,応答低減率の期待値は,位相角差分布を正規分布と仮定することによって理論的に定式化が可能であることを明らかにした.この期待値は,実地震動の応答スペクトルの低減率と対応することを確認している.また,以上の性質を利用して地震動特性を反映して従来の等価線形化法を合理的に修正する方法を提案し,地震動特性および構造物の周期,降伏強度,履歴モデルなどが異なる網羅的な組合わせに対して,従来の等価線形化手法が一般的に改善されることを示した.
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