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¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
昨年度までは,地盤・地形条件等が単純で,地盤上に大規模な構造物が構築されていない地域において事例分析を行い,模型実験や液状化土を非線形流体と見なした場合の相似則および模型地盤の流動実験の結果と総合して,傾斜地盤の地表面変位量の予測式を提案した.本年度は地盤・地形条件がやや複雑な側方流動の事例を対象として,以下の分析を行った。 1) 1995年兵庫県南部地震の際に内陸傾斜地で発生した地表面の水平変位の原因究明神戸市や西宮市の六甲山麓の住宅地でも地盤の水平移動が生じ,多くの埋設管路に被害が発生したことが報告されている.これらの地域の地盤移動についての原因を,現地調査,航空写真測量,地盤調査資料等に基づき検討した結果,神戸市長田区会下山地区の六甲山麓の丘陵地を切り盛り造成した住宅地で発生した地盤移動は,地表面勾kが大きく現地調査の結果からも液状イロこよる側方流動ではなく盛土等のすべりによる可能性が高いと判断し.た.これに対して,長田区会下山の扇状地上における地盤移動および西宮市夙川上流域の六甲山麓の造成地における地盤移動は,地形:地盤条件,噴砂の発生状況などから液状化による側方流動に起因して発生した可能性が高いことが分かった. 2) 市街地における建物基礎等が地表面変位量に与える影響の評価 1964年新潟地震における新潟駅周辺の市街地および1995年兵庫県南部地震における神戸市,西宮市の住宅地で発生した側方流動の事例分析を行い,建物基礎などの地中構造物の存在がその地域の側方流動による地盤の水平変停量に与える影響について,地震当時存在した建物の基礎構造の調査,航空写真測量,地盤データの液状化簡易解析などに基づき検討を行った.その結果,建物の基礎杭や地下室が存在する市街地における変位量は,更地ないしそれに近い地盤の変位量に比べて約半分に低減されることがわかった.
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