サブユニット間ヘム架橋型シトクロムbにおけるヘム特異的アセンブリー機構
Project/Area Number |
10129202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北 潔 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90134444)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | コハク酸脱水素酵素 / アセンブリー / ヘムb / ヘム鉄 / 大腸菌 |
Research Abstract |
コハク酸脱水素酵素複合体(SDH)は複合体IIとも呼ばれ、TCA回路の酵素としては唯一膜結合性の酵素である。本酵素は同時に呼吸鎖電子伝達系の初発酵素として機能し、ヒトから細菌まで好気性生物のエネルギー代謝においてTCA回路と呼吸を直接結び付ける重要な役割を果たしている。複合体IIは真核生物ではミトコンドリアのマーカー酵素として知られているが、一方、嫌気性細菌にはSDHの逆反応を触媒するフマル酸還元酵素(FRD)が存在し、NADHからフマル酸への嫌気的電子伝達系の末端部位の酸化還元酵素として機能している。申請者は酸素適応における呼吸鎖の役割、またその構造と機能について一貫して研究を進めてきたが、本研究では大腸菌のSDHに関しヘム合成の変異株を用いて膜へのアセンブリーにおける補欠分子属、特にヘムの役割について解析した。 ヘム合成の最終ステップでヘムへ鉄を入れるヘムケラターゼを欠損するhemH変異株を用いて実験を行ったところ、触媒部位は膜ではなく細胞質に局在した。この変異株にさらにヘムの透過性を亢進する変異を導入し、培地中にヘミンを加えたところ正常な活性を持った複合体IIが膜に観察された。そこで次にヘミンの代わりに鉄を持たないプロトポルフィリンや中心金属としてMn,Co,Ni,Cu,Znを配位するポルフィリンを加えたところ、膜でのコハク酸-ユビキノン酸化還元酵素活性はMnではヘミンの14%、CoとNiでは2.3%、またCuやZnではほとんど活性は見られなかった。この様にヘム鉄は複合体IIのアセンブリーと膜への局在に必須であり、またその特異性も高いものであった。
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Report
(1 results)
Research Products
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