Project/Area Number |
10129232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
伊藤 繁 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40108634)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 光合成 / タンパク質 / 電子移動 / クロロフィル / キノン |
Research Abstract |
光合成電子移動系の最適化原理と金属の役割をタンパク質内の機能分子の置き換えと、新発見の光合成系で検討した。 「新発見Zn-クロロフィル型光合成反応中心(細菌型)の検討」:酸性細菌Acidiphillum rubrumの反応中心複合体内のバクテリオクロロフィルの中心金属が通常のMgでなくZn(Zn-BChl a)であることを明らかにした。反応中心のレーザ分光と蛍光測定から数ピコ秒での初期電子移動が推定され、Zn-BChl aでも高能率で電子移動可能なことが示された。FTIR,ESR,ENDORで反応中心2量体Zn-BChl aの構造を解析した。「近赤外光を利用可能なクロロフィルdを使う新植物型光合成」:パラオ海中の群体ホヤから分離されたシアノバクテリア型細菌、Acaryochloris marinaは大量のクロロフィルd(Chl d)と、少量の酸素発生光合成に必須と考えられてきたChl aをもつ。精製光化学系1反応中心のタンパク質は植物型に近いが反応中心2量体Chl dは近赤外740nmに光吸収の極大を示し(P740と命名)、既知の植物型の700nmの赤色光を使うChl a(P700)とは異なる新型であることを示した。A.marinaは1割少ない光量子エネルギーで植物型光合成を行うので光合成細菌と植物型光合成の中間型ともいえる。 「人工キノンを導入した光化学系1反応中心での電子スピン間相互作用を、パルスESEEMにより観測した」:6種の人工キノンとP700+上の電子スピン間距離がいずれも25.3Å、両者を結ぶ線と膜面間の角度約70度を推定した。
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