時間分解共鳴第二高調波スペクトルによる界面電子移動ダイナミクスの解析
Project/Area Number |
10131207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 達也 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30261548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70114569)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | SHG / 第二高調波 / メチレンブルー / 電気化学 / 界面 |
Research Abstract |
電気化学的な制御およびSHスペクトルのin-situ測定が可能なセルを試作した。このセルの中に設置したMB/S/Au電極に540nm-640nmのレーザー光を基本波として入射角40゚で照射した。基本波はS偏光で入射し,SH光はP偏光で検出し,光電子増倍管およびデジタルストレージオシロスコープで測定した。同時に基本波強度も測定し、基本波強度の波長依存性によるSHスペクトルの歪みを補正した。このSHスペクトル測定システムを使って石英表面に吸着したMBのSHスペクトルを測定し,同一試料の透過吸収スペクトルと比較したところ両者は良く一致していた。このことから,本測定システムによる吸着分子の電子状態測定が可能であることを確認した。電極電位0.2Vにおいて測定したMBのSHスペクトルは,S/Au電極表面のフレネル因子の波長依存性によるスペクトルの歪みを省くためにMBが吸着していないS/Au電極のSH強度で規格化した。スペクトル形状は被覆率に依存して大きく変化しており,電極表面の電子構造が吸着分子の被覆率に依存することを示唆している。また,この結果はS/Au電極由来の非線形感受率とMB由来の感受率の干渉によるものと解釈され,金属と吸着分子に由来する非線形分極が互いに干渉することを分光学的に実証した初めての例である。本研究における第二高調波の偏光依存性の結果もそのことを強く支持している。そこで,MB由来の感受率に関する情報を抽出するために導出した理論式でそれぞれのスペクトルをフィッティングした。フィッティングにより得られた吸着MBの共鳴極大波長は被覆率の増大にともなって短波長にシフトすることが明らかとなり,電極表面におけるMBのH会合体形成が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)