界面活性剤ミセルによる導電性高分子膜の構造制御とエネルギー貯蔵デバイスへの応用
Project/Area Number |
10131219
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
直井 勝彦 東京農工大学, 工学部, 助教授 (70192664)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 敦 東京農工大学, 共同研究開発センター, 客員教授
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 導電性高分子 / ポリピロール / 電解同時形成 / 界面活性剤 / 酸化アルミニウム / アルミ電解コンデンサ / エネルギー貯蔵デバイス |
Research Abstract |
1. 研究実績 アニオン性界面活性剤であるn-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを支持電解質として、アルミニウム電極上にポリピロールを定電流電解した結果、その化成曲線よりバリアー型のAl_2O_3膜が形成したと考えられる。一方、SEM観察によりPPyは電解初期(Q【less than or equal】10mCcm^<-2>)においてすでに局所的な核生成が認められる。さらに通電を継続するとPPy核成長とともに電極面に沿った島成長が起こり、やがてこれらの島が互いに合一して最終的には均一なPPy膜を形成する過程が観察された。このようなAl_2O_3/PPy二層膜の電解同時形成は界面活性剤の存在下のみにおいて生じる。 我々はPPy核形成過程と引き続いて起こる島成長過程に界面活性剤分子が関与した生成メカニズムを考えた。Al_2O_3膜上でPPyが電解重合するためには絶縁体であるAl_2O_3膜を貫通する何らかの導電パスが必要である。我々は、Al_2O_3膜内のクラック表面に界面活性剤の親水-疎水相互作用によるピロール濃縮層が形成され、これが優先的に電解重合することによりPPyによる導電パスが形成されるものと考えた。またPPyの核から電極面に沿った島成長に関しても、同様な界面活性剤による電極界面近傍へのピロールモノマーの濃縮作用により説明できる。すなわち臨界ミセル濃度(1.6×10^<-3>mol dm^<-3> at 25℃)以上の溶液中においては、界面活性剤による二層膜ミセルがAl_2O_3電極上に形成されており、その内部に疎水性のピロールモノマーが濃縮されている。PPyの成長は核を中心として電極面に沿った島状成長が有利になるため、絶縁体であるAl_2O_3膜上にPPy膜の形成が可能になるものと考えられる。 2. 今後の展望 界面活性剤であるスルホン酸類の構造やその濃度を変化させたときのAl_2O_3およびPPyの成長に及ぼす影響を調べ、上記メカニズムを検証していきたい。また本法により作製されるAl/Al_2O_3/PPyの層構造はアルミ電解コンデンサ素子そのものであり、新しいコンデンサ素子製法としても期待される。さらに生成したAl_2O_3膜の誘電率やその周波数特性特性にも興味が持たれる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)