高度に構造規制された重合膜被覆電極の構築と分子識別的電極反応への応用
Project/Area Number |
10131224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野中 勉 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00016528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
跡部 真人 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (90291351)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 重合膜被覆電極 / 力学エネルギー / 電解酸化重合 |
Research Abstract |
力学エネルギーは化学反応を駆動するには不十分であるが、化学反応を制御することができる。本研究では、力学エネルギー場である超音波場および遠心場により、特異な電極界面構造・特性の規制を行ない、複素芳香族化合物の電解酸化重合膜形成過程およびチオールの自己組織化吸着過程への力学エネルギー場の作用と効果を明らかにするとともに、応用開発への展開を図った。 1 超音波場による電極界面構造・特性の規制 本研究では、つぎの2つの電極過程(いずれも析出系)において特異な超音波効果を見い出し、機構解明と応用開発を進めた。 (a) 電解酸化重合 超音波照射下での電解酸化重合により超高密度・均質な高電導性ポリアニリン膜が形成されることを前年度に見い出しているが、本年度の研究ではこの超音波効果の発現機構を解明するとともに、ポリアニリン膜以外(ポリチオフェン膜、ポリピロール膜)への拡張を図り、この現象の普遍性を検証した。さらに、これらの重合膜の応用についても予備的検討を進め、現在、企業の協力の下に高性能電解コンデンサ開発に着手している。 (b) 自己組織化吸着 チオール類のAu電極表面への自己組織化吸着過程は上述の電解酸化重合や電気メッキと同様に非平衡析出系の範疇にあるので、何らかの顕著な超音波効果が期待され,今年度、新たに研究に着手した。その結果、超音波が吸着速度さらには飽和吸着量を著しく増大させるという極めて興味深い現象が見出された。 2 遠心場による電極界面構造・特性の規制 遠心器に電解セルを装着して、数100G程度の遠心加速度を発生させて、析出系電極反応であるアニリンの電解酸化重合への遠心場効果を検討した。その結果、遠心力に正対する電極上に形成されたポリアニリン膜は厚く緻密であったのに対し、逆対する電極では逆になった。このような異方性現象は遠心場効果が単なる静圧効果ではないことを立証しており、今後の機構的側面の解明が待たれることとなった。非析出系電極反応に対する顕著な遠心場効果の探索も開始した。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)