Project/Area Number |
10131238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 宗孝 京都大学, 工学研究科, 助手 (90221861)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 電気化学発光 / CCD検出器 / 二次元光マッピング / ペリレンカチオンラジカル塩 / 溶液内電子移動反応 / 結晶核成長 |
Research Abstract |
本研究では、二次元CCD発光検出システムを新規に構築して、顕微鏡下で電極表面発光を測定・解析することにより、界面電子移動やそれに及ぼす電極表面構造の影響にについての直接観測を可能にする目的で研究を進めた。特にペリレンの電解酸化還元過程において、カチオンラジカルの二量体の結晶成長とそれを核とする局所場での電気化学発光過程の観測について検討した。 アセトニトリル中でのペリレンの電極反応においては、電解還元時には溶液内で安定なペリレンアニオンラジカルが生成するのに対して、電解酸化時には電極表面には針状結晶が成長する。この電極に、-1.0V 100ms,+2.0V 100msの連続パルスを印加して、その過程でCCDによって光検出を行った結果、パルス電解開始直後の2秒間露光した場合には析出結晶表面で強い発光が観測された。この発光のスペクトル測定を行った結果、観測される発光は励起一重項状態を経由するのではなく、エキシマーを経由することがわかった。このことから、発光反応初期過程では析出結晶上では局所的にペリレンカチオンラジカルの二量体濃度が増大することにより、微結晶表面での発光が観測されるものと考えられる。 さらに、二次元発光像の時間変化について観測した結果、10-20秒後には微結晶の背面からの発光が強くなり、コントラストが逆転したような発光像が観測できた。これは、結晶の溶解反応の進行に伴い結晶上よりむしろ電極界面溶液層のPe濃度が増大して、溶液内での発光反応が顕著になる理由によるものと考えられる。 このほかにも、ペリレンカチオンラジカル塩が関与する電気化学発光観測においては、電極のエッジ効果やパルス幅に依存した結晶溶解反応の観測など、局所的かつダイナミックな電極反応過程の直接観測を可能にした。
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