Project/Area Number |
10131242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 忍 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30184659)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 修飾電極 / 補酵素PQQ / 補酵素TTQ / 酸化還元挙動 / ピオローゲン / セミキノンラジカルアニオン / 溶媒効果 / 配位結合 |
Research Abstract |
我々はこれまでに新しい酸化還元系の各種補酵素類に着目し、それらの構造や機能の解明とその応用を目的とし、主にモデル化学的な立場から種々検討を行ってきた。本特定領域研究では、新しいタイプの機能性修飾電極の開発を目的とし、新しい酸化還元系の補酵素類や含複素環ビオローゲン誘導体の電気化学的挙動および機能性修飾電極への応用などについて検討を行った。 本年度は主に補酵素PQQ(ピロロキノリンキノン)TTQ(トリプトファン・トリプトフィルキノン)の有機溶媒中における電気化学的な挙動の詳細や、一電子還元体である、セミキノンラジカルアニオン種の安定性や電子構造、およびそれらに及ぼす溶媒や金属イオンの添加効果について検討した。その結果、非水有機溶液中におけるPQQやTTQの複雑な酸化還元挙動の原因が、それぞれの有する活性ピロールプロトンに起因することが判明した。また、PQQやTTQの酸化還元電位やセミキノンラジカルアニオン種における電子スピン状態が溶媒の極性や金属の配位によって大きく変化することが判明した。これらの成果は、PQQやTTQの機能性修飾電極開発のための重要な基礎的知見となる。 また、機能性修飾電極創成のための機能部位として複素環を有するビオローゲン誘導体を取り上げ、その酸化還元挙動や遷移金属錯体、電荷移動錯体などの形成能、ならびに金属電極表面への吸着能についても検討し、機能性修飾電極開発のために必要な基礎的知見を得ることに成功した。
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