Project/Area Number |
10131257
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鯉沼 陸央 熊本大学, 工学部, 講師 (70284742)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 無機酸化物膜 / エピタキシャル成長 / 配向性 / 薄膜材料 / 電気化学的合成 |
Research Abstract |
無機酸化物膜には、水素吸蔵能や高触媒性、磁性などの様々の機能性が存在する。電気化学反応による膜の生成プロセスは、電気化学の新しい用途や有用な機能性無機薄膜の新しい作製法として期待される。また、電気化学反応を用いた無機薄膜の作製方法は、低エネルギー・低環境負荷のため注目を集めるようになってきた。しかしながら、これまで作製されてきた無機酸化物膜は、構造的に規制されたものではなく、ナノレベルで結晶化し規制された構造を有する無機酸化物膜が作製できれば、さらに機能性が向上するものと考えられる。本研究では、酸化チタン上に金属酸化物の無電解析出の検討を中心に行った。 基板に単結晶を利用することで、常温・常圧条件下において高い配向性をもつ酸化物の作製に成功した。無電解酸化によって種々の配向性をもつ酸化チタン単結晶基板上に析出させた酸化鉛のX線回折パターンを示している。電解液の溶液組成および溶液のpHを制御すると、酸化チタン単結晶基板上に選択的にβ-PbO_2を形成させることができた。基板の酸化チタンに(001)面を利用したときには、析出した酸化鉛の配向性も(001)になった。同様の現象は、TiO_2(110)およびTiO_2(100)基板でもみられた。しかしながら、基板に多結晶の酸化チタンを用いた場合には、析出した酸化鉛は全く配向性を有していなかった。したがって、析出した酸化鉛は基板のTiO_2の配向性に非常に強く影響を受けることが分かった。これは、TiO_2とβ-PbO_2の両方ともルチル型の結晶構造であり、同じ配向性を持つときに構造のミスマッチの差が最も小さくなるためであると考えられる。また、高温中で酸化物の析出を行うとより大きな結晶化した膜を得ることができた。さらに、コバルト、鉄などの酸化物の配向性を持った膜の作製にも成功した。
|