Project/Area Number |
10132211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相田 卓三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00167769)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ルイス酸 / チタン錯体 / マルチメタリック触媒 / ε-カプロラクトン / オキセタン / アニオン重合 / カオチン重合 / リビング重合 |
Research Abstract |
我々は、金属ポルフィリン錯体とかさ高いルイス酸からなるマルチメタリックシステムが高度に制御された高速な高分子合成に有効であることを見いだしている。ここで、金属ポルフイリン錯体は求核剤として、ルイス酸はモノマー活性化剤として機能し、重合反応が副反応を伴わず、かつ極めて高速に進行する。本研究では、より一般的なマルチメタリック系を実現するための金属錯体を分子設計し、それを用いて高度に制御された高分子合成反応を確立することを目的としている。 具体的にはフェノール配位子を用いたマルチチタン錯体の設計を目指した。チタンは求核種として機能するだけでなくルイス酸としても機能しうる。その予備段階として、前年度までにモノチタン錯体の重合能を検討したところ、いくつかの興味深い事実が得られた。すなわち、通常では不可能な「カチオン機構とアニオン機構による連続的な重合反応」をワンポットで実現できることがわかった。 本年度は、この重合系のメカニズムについて詳細に検討した。その結果、中性のジクロロチタン錯体が、7員環の環状エステルであるカプロラクトン(CL)のアニオンリビング重合を引き起こすのに対し、カチオン性のトリフルオリメタンスルホネートクロロチタン錯体は、4員環環状エーテルであるオキセタン(OX)のカチオン重合の触媒となり、分子量のそろったポリマーを与えることがわかった。後者の場合、成長ポリマーの片末端はトリフレート(求電子種)に、もう片末端はチタンアルコキシド(求核種)になっており、4級アンモニウム塩を加えて、OXの重合を停止させた後、CLを加えたところ、アルコキシド末端からCLの重合が引き続き進行し、分子量分布の狭いOXとCLのブロック共重合体が得られた。
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