ケイ素原子の電子的効果を基盤とするケテン類の高選択的重合反応の開発
Project/Area Number |
10132217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 剛 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (40016738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 篤 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (20293053)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ケテン類 / リビング重合 / エキソメチレン基 / ポリエステル / アリールアルキルケテン / シリルケテン |
Research Abstract |
ケテン類は,その重合によりカルボニル基もしくはエキソメチレン基を有する高分子を与えることから有用なモノマーとして期待されるが,合成や反応制御が困難なことから重合挙動の詳細な研究は行なわれていない。そこで本研究では,ケテン類の特異な反応性を利用した高分子合成法の開拓の一環として,そのリビング重合の開拓を目的に種々検討を行った。 まず,エチルフェニルケテンの重合を種々の条件下で行なった結果,アルキルリチウムを開始剤として用いることにより重合がリビング的に進行し,エキソメチレン基を有するポリエステルがほぼ定量的に得られることを見出した。本重合のリビング性を利用することにより種々のブロック共重合体の合成も可能である。また,種々の官能基を有するアリールアルキルケテンの重合もリビング的に進行することを見出した。 さらに,ケテン上にシリル基を導入し,そのd^*軌道による成長末端の安定化に基づくリビング重合系を設計した。アルキルリチウムによるシリルケテンのアニオン重合を行なった結果,約5量体のオリゴエステルが得られた。本重合系では高分子量体は得らないものの,得られるオリゴマーの分子量分布は極めて狭いことから,シリル基の導入がケテンの重合反応に対して大きく影響することがわかった。 アリールアルキルケテンおよびシリルケテンは合成および取扱いが容易であり,置換基導入等の自由度が大きい。このような観点からも本研究で開発されたケテン類のリビング重合は,種々の機能性ポリエステルの精密重合法として極めて有用であるといえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)