遷移金属錯体による炭素結合形成を利用する効率的官能基変換反応の開発
Project/Area Number |
10132220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
千木 昌人 金沢大学, 工学部, 助教授 (90135046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 光典 金沢大学, 工学部, 助手 (60242533)
中島 正 金沢大学, 工学部, 教授 (70019735)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ヒドロジルコネーション / フェニルセレノ基 / ビニルジルコノセン / トランスメタル化 / 高次有機銅試薬 / ジルコナシクロペンテン / セレノキシド脱離 / [2,3]シグマトロピー転位 |
Research Abstract |
周期表の様々な元素の特性を活用した選択的かつ効率的な官能基導入反応を開発研究の一環として、ジルコニウム、亜鉛、銅およびセレンの各元素のもつ潜在的な反応特性を相乗的に生かした反応を組み合わせ、有機合成上有用な官能基を有する化合物へ効率よく変換することを目的に、本研究では3つの重要な活性部位を有するα位あるいはβ位にフェニルセレノ基が置換した末端アルキンを出発原料に用い、多官能性化合物への変換反応について検討した。 α位あるいはβ位にフェニルセレノ基を有する末端アルキン(1)とジルコノセンのエチレン錯体との反応ではジルコナシクロペンテンが位置異性体の混合物として生成した。また、1とSchwartz試薬とのヒドロジルコネーションは、位置および立体選択的に付加反応が進行し、トランス形の末端ビニルジルコノセン誘導体を与えた。引き続き高次有機銅試薬およびジメチル亜鉛とのトランスメタル化反応により系中にフェニルセレノ基を有するビニル銅やビニル亜鉛中間体を生成させ、これとエノン類やエポキシド、アリルハライド、ビニルトリフラートおよびアルデヒドとの反応を行った結果、良好な収率で1,4-付加生成物やアリルアルコール誘導体等を与えることを明らかにした。一方、ブチルリチウムによる1の末端水素の引き抜きによりsp炭素アニオンを生成させ、引き続き求電子剤としてアルデヒドやエポキシドとの反応を行うと、三重結合を有するアルコール誘導体が収率良く得られた。さらに、得られたこれらの化合物に存在するアリルセレニドやホモアリルセレニドを過酸化水素で酸化し、対応するセレノキシドの[2,3]シグマトロピー転位あるいはシン脱離を起こさせ、アリルアルコールやジエンおよび3,4-ジヒドロキシ-1-アルケンやエンイン部位をもつアルコール誘導体などの有用な官能基に変換できることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)