6族遷移金属化合物を触媒とする開環メタセシス重合における立体制御
Project/Area Number |
10132236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 祐正 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20273576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 憲一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80093376)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 開環メタセシス重合 / 立体特異的重合 / タングステン錯体 / モリブデン錯体 / ジフェニルアセチレン / キレートフェノキシド配位子 / ノルボルネン / 立体異性化 |
Research Abstract |
配位子として、二置換アセチレンと、O-S-Oの3座で中心金属に配位する2,2′-thiobis(4-me-thyl-6-tert-butylphenoxide)(TBP)を有するタングステン、モリブデン錯体を合成し、ノルボルネンの開環メタセシス重合(ROMP)を検討したところ、分子量が極めて高く、立体制御されたポリノルボルネンが得られた。 触媒前駆体となるタングステンジアルキル錯体は、室温でC_s構造からC_1構造への異性化が進行する。さらに加熱するとα-H脱離が起こり重合活性種である金属カルベン種が発生することがNMRによって明らかになった。 タングステンジアルキル錯体を触媒前駆体として用いベンゼン溶液中、30℃で重合を検討したところ、bis(trimethylsilylmethyl)錯体では分子量が2.0×10^6以上と極めて高く、ポリマーの主鎖の二重結合部分のcis-contentが93%のポリノルボルネンが得られた。一方、相当するモリブデン錯体の活性は高く、得られたポリマーの分子量は2.0×10^6とタングステン錯体で得られたポリマーと同程度であるが、立体規則性は有しておらず、シス-トランス混合物であった。 また、2,3-ジカルボメトキシノルボルナジエンの重合を検討したところ、タングステン錯体は全く重合活性を示さず、モリブデン錯体でもわずかに重合したのみにとどまった。タングステンジアルキル錯体と1当量のモノマーとの反応を行うとモノオキソ錯体が単離されたことより、この失活の原因はカルボニルのオレフィン化反応が進行したためであることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)