ほぼ無限種のステロイド包接結晶を反応メディアとする組合せの化学
Project/Area Number |
10132239
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 幹二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029322)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 反応メディア / 包接結晶 / 組合せの化学 / ステロイド / カルボン酸アミン塩 / 単結晶X線解析 / 分子複合 / 水素結合 |
Research Abstract |
理論的には、タンパク質のアミド結合を除いた置換メチレンの炭素鎖でもモノマーの配列順序(定序性)が維持されるはずである。近年、組合せの化学(Combinatorial Chemsitry)が知られるようになったにもかかわらず、一般の有機分子に対してこの定序性の概念が使われないのはなぜか。この間に答えるため、本研究では、ステロイド包接結晶がほぼ無限種の反応メディアを与える可能性があることを示す。ステロイドのように二十以上の構成要素がある場合、文学の短歌・俳句あるいは生物の抗体のように、ほぼ無限種の異性体が生じるが、各ホストの分子集合法・包接化法・認識法などを個別に明らかにして、比較研究を詳細に行い、以下の研究成果を得た。 1. 情報表現力に富む定序性炭素鎖分子としては、置換基を多数もつ脂肪族あるいは脂環式化合物が適している。この中で炭素数が二十以上で、数多くの不斉炭素と水素結合基があり、曖昧さの少ないデジタル情報のような構造を持つ物質を探索した。骨格変換に加えて、側鎖の長さや官能基を変換するだけで、数百の誘導体を容易に合成することが可能となった。 2. 前年度に続いて、各ホストの包接化合物形成能力を調べ、分子認識能を評価した。各ホストは、分子構造のごくわずかな違いに基づいて、かなり異なる能力をもつと推察されるので、官能基、形、大きさの異なる百種以上のゲスト候補について実験を重ねた。 3. これらホストの包接結晶の構造を赤外分光法、NMR分光法、熱重量分析法、X線粉末回折法、単結晶構造解析などにより決定し、水素結合による情報表現を検討した。水素結合基の数・位置・配置などで分子構造のわずかに違う一組のホストを使って、情報表現の違いを明白にした。そして分子建築、分子複合(包接)、化学反応における相違を考察した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)