触媒型ラジカル反応場を利用する新炭素-炭素結合形成
Project/Area Number |
10132240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳 日馨 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80210821)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | カルボニル化 / 金属触媒不要プロセス / ハイブリッド型反応 / アミド合成 / ラジカル条件 / 光照射条件 / 環境調和型プロセス / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
カルボニル化によるアミド合成は遷移金属触媒の力を借りて行うのが常であったが本研究により遷移金属触媒を用いることなくアルキルハライドと一酸化炭素とアミンからアミドを合成する新方法を開発することに成功した。この反応はラジカル反応とイオン反応のハイブリッド型の反応を採用した結果,良好に達成された。 2-ヨードオクタンとジエチルアミンを溶媒に溶かし、20気圧の一酸化炭素圧下に80℃で8時間加熱したがまったく反応は進行しなかった。しかし、ヨージドに対して25mol%のAIBNならびに10mol%のアリルトリブチルスズを入れて同様な反応を行ったところ、反応は良好に進行し、期待したアミドが91%の単離収率で得られた。またアリルトリブチルスズのかわりにトリス(トリメチルシリル)シランを用いた場合も反応は良好に進行した。この反応には各種の2級ならびに3級のアルキルヨージドならびに1級アミンならびに2級アミンを用いることができる。また開始剤を用いず光照射条件も検討したが,同様に反応が良好に進行した。 この反応は、開始剤より生成したスズラジカルがアルキルヨージドのヨウ素を引き抜き反応が開始する。つづくラジカル連鎖過程はふたつの可逆反応によって構成されており、いずれの反応も必ずしも熱力学的に好ましい反応ではないが、つづくイオン反応によるアシルヨージドの捕捉が組み合わさることで期待したアミド合成が達成されたものと考えられる。 遷移金属触媒反応では触媒ならびに配位子の回収のために多くの努力が向けられているが、概念的にことなる本新合成法ではこうした問題を回避できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)