Project/Area Number |
10132267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
田中 晃二 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (00029274)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 二酸化炭素還元反応 / ケトン生成 / ルテニウム金属錯体 / 金属-CO結合の還元的開裂の抑制 / 単座ナフチル配位子 |
Research Abstract |
金属錯体を触媒とする電気化学的二酸化炭素還元の分野では金属上でCO_2をCOに還元する報告例はおびただしい数に上るが、CO_2由来の金属-CO錯体(18電子)の金属-CO結合の還元的開裂が起こるために、CO_2はCOまでしか還元されない。本研究では通常の反応条件ではCO_2の活性化は還元的な条件に限られることから、CO_2と同条件下でのCOの活性化方法の開発を行い、CO_2とCOを同一の反応条件下で利用しうる方法論の開発を行った。ルテニウム金属錯体に配位した単座ナフチル配位子(C_8H_6N_2)のπ*軌道のエネルギーレベルが低く、容易に1あるいは2電子還元を受けてフリーの窒素の塩基性が極めて増大する。単座ナフチル配位子を有するRu錯体触媒によるCO_2の還元で中間体として生成するRu-CO錯体が還元されると、フリーのナフチル窒素がカルボニル炭素へ付加し、Ru-C-N-C-Nの5員環形成を形成する。そのため、Ru-CO結合にはナフチル基からN-C結合を通してカルボニル基に2電子供給が可能となった。その結果、従来化学的には不活性のため電解質として使用されていた4級アンモニュム塩がアルキル化剤となり、CO_2由来のRu-CO結合に求電子付加する新規ケトン合成反応系を見いだした。このように本研究の特色はCO_2とCOを同一の反応条件で活性化しうる方法論の開発であり、C1原料としてCO_2とCOの化学と直接結びつけるのみならず、金属-CO結合のカルボニル炭素の極性を逆転させる化学でもあり、新しい有機反応への発展が期待しうる。
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