Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
新規反応系の合理的設計のためには,任意の反応物の任意の反応条件下での反応生成物とその生成比とを正しく予測することが重要である.この定量的反応予測を実現するためには反応条件を正しく考慮することが不可欠となる.本研究では反応条件の重要な一つの因子である金属試薬に着目し,反応物と金属試薬との間の電子的・立体的相互作用に着目した反応条件解析を行うこ、とを目的とした. 反応を考える際には相互作用を考慮することが必要である. 3次元構造活性相関においてリガンドとの相互作用を数値化する手法としてCranlerらによって開発されたCoMFAがある.CoMFAは比較する分子同士の重ね合わせを必要とする.しかし,置換基の異なる共通骨格を持つ分子群を取り扱う薬物設計と異なり,反応物や試薬分子群を系統的に取り扱うにはそれらの大きさ形状ともに多様であるため,重ね合わせを必要とせず,かつどの分子についても同様な特性値を与える新しい手法が必要である.そこで,分子を取り囲む反応場を3次元的に特性値化する新しい方法FRAU(Field-characterization for Reaction Anaslysis and Understanding)を開発した.FRAUは仮想反応相手との相互作用にもとづいて分子を取り囲む3次元的な立体的・電子的・空間的特徴を数値化する(以下FRAU特性値と呼ぶ).FRAU特性値は各原子ごとに計算する.この各部位ごとに得られるFRAU特性値は,どの方向のどの相互作用が反応にこ大きく寄与しているかを知るための有力な情報となる.39種の金属試薬を,そのFRAU特性値を識別子としてKohonenニューラルネットワークで分類しFRAU特性値の能力を調べた.この結果,FRAU特性値が試薬の構造類似性・反応における役割の類似性をよく反映していることがわかり,FRAUの特性値化の妥当性を示した.
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