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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究では、 (1)α,ω-ジフェニルオリゴシラン類および(2)オクタシラキュバンの放射線化学で生成するアニオンラジカルおよびカチオンラジカル、の紫外可視吸収スペクトルと発光スペクトルを調べることにより、Si-Si結合の性質を研究した。 (1) α,ω-ジフェニルオリゴシラン α,ω-ジフェニルジシラン,ジフェニルトリシラン,ジフェニルテトラシランはポリシラン類と同様なサーモクロミズムを示すことを見出した。これはポリシランと同様、低温でSi-Si主鎖がanti-型構造をとり、Si-Siσ結合の共役が広がったためと考えられる。これらの化合物に対して室温では発光が観測されなかったのに対し、77Kでは300〜360nmにSi-Si主鎖の電子遷移に基づく蛍光が、また350〜500nmにフェニル基に基づくリン光が観測された。この蛍光バンドの発光をモニターした時に得られた励起スペクトルは吸収スペクトルの最長波長部分に対応しており、all-anti型構造を持つテトラシランの発光の量子収率が大きいこと、また発光スペクトルと励起スペクトルのストークスシフトが大きいことから、発光状態においてSi-Si結合が伸長することを見出した。 (1) オクタ-(1,1,2-トリメチルプロピル)-オクタシラキュバンのイオンラジカル オクタ-(1,1,2,-トリメチルプロピル)-オクタシラキュバンを2-メチルテトラヒドロフラン及び2-クロロブタンに溶解して、77Kでγ線照射し(線量20kGy)、それぞれアニオンラジカルとカチオンラジカルを生成させた。カチオンラジカルは460nmに、アニオンラジカルは500nmに吸収極大を持つややブロードな吸収を示すことを見出した。
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