多くの硫黄原子を含む拡張π電子系配位子を有する遷移金属錯体の新しい物性・機能
Project/Area Number |
10133230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松林 玄悦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029182)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | コバルト錯体 / チタン錯体 / 白金錯体 / ジチオレート錯体 / 酸化 / 電導度 / 磁性 |
Research Abstract |
金属錯体における硫黄-金属インターエレメント結合の特性とともに、配位子の電子状態および固体状態での硫黄原子を介した分子間相互作用によってその導電性や磁性に新しい展開が期待できる。多硫黄ジチオレート配位子C_3S_5^<2->およびC_8H_4S_8^<2->を有するいくつかの遷移金属錯体を合成し、その新しい物性・機能を目指した。 まず、η^5-C_5H_5およびη^5-C_5Me_5基を有するコバルト(III)錯体の臭素による酸化反応過程を明らかにした。Co(η^5-C_5H_5)(C_3S_5)Brを結晶として得て、そのX線結晶構造解析を行い、また磁性を測定して、固体状態でC_3S_5-配位子上の不対電子の錯体間反強磁性的相互作用を明らかにした。 Ti(η^5-C_5H_5)_2(C_8H_4S_8)錯体を合成し、溶液中においてその配位硫黄原子のところでの屈曲運動を^1HNMRスペクトルから明らかにした。ヨウ素と反応させて得られる1電子酸化体Ti(η_5-C_5H_5)_2(C_8H_4S_8)](I_3)_<0.9>の電導度は2.7x10^<-4>Scm^<-1>(室温、粉末加圧成型試料)であった。 長鎖アルキル基を含んだ多硫黄ジチオレート白金(II)錯体としてPt(N-N)(S-S)型錯体(N-N,ピリジンジ環を含む窒素キレート配位子;S-S,ジチオレート配位子)を得た。S-S配位子がらN-N配位子への分子内電荷移動吸収帝を示し、この錯体のヨウ素などとの反応から得た酸化体は、C_8H_4S_8-錯体において10^<-5>Scm^<-1>の電導度を示した。長鎖アルキル基をもつ多硫黄ジチオレート配位子を新たに合成し、その白金(II)錯体[NBu_4]_2[Pt(C_6S_8R_2)_2](R=C_<10>H_<21>,C_<14>H_<29>,C_<18>H_<37>)を得た。R=C_<10>H_<21>の錯体については、X線結晶解析を行い、アルキル基会合による層状構造を明らかにした。これらの錯体とヨウ素との反応によって得られる酸化体[Pt(C_6S_8R_2)_2]は、R=C_<10>H_<21>およびC_<14>H_<29>において10^<-2>Scm^<-1>(室温、粉末加圧成型試料)の電導度を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)