硫黄-亜鉛間の結合形成を作用機序とする抗がん、抗エイズ医薬の分子設計と合成
Project/Area Number |
10133241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大塚 雅巳 熊本大学, 薬学部, 教授 (40126008)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ファルネシルトランスフェラーゼ / 亜鉛蛋白質 / メルカプト化合物 / がん遺伝子 |
Research Abstract |
がんやエイズの発症には種々の亜鉛含有蛋白質が関与している。これらの蛋白質の亜鉛部位と硫黄-亜鉛インターエレメント結合を形成する硫黄含有人工化合物を設計し、がんやエイズにかかわる亜鉛蛋白質の機能を阻害することが本研究の目標である。 研究代表者らはこれまでジメチルアミノピリジンの両側に各種のキレート性側鎖を導入した人工化合物を設計、合成した。それらの化合物は強い亜鉛結合性を示し、HIV-1プロウイルスの転写に関与している2種類の亜鉛フィンガー蛋白質HIV-EP1およびSp1のDNA結合機能を阻害したことは昨年度に報告した。今年度はRasファルネシルトランスフェラーゼ(FTase)の阻害について検討した。 がん遺伝子rasがコードしているRas蛋白質が機能を発現するためには、C末端側のシステイン残基のファルネシル化が必須である。このファルネシル化は亜鉛含有酵素であるFTaseにより触媒され、翻訳後修飾のキーステップである。 ジメチルアミノピリジンの両側に2つのメルカプト基を導入した化合物は30μM程度の濃度でFTaseをよく阻害した。同化合物は1,10-フェナンスロリン、ジピリジル、エチレンジアミンなどのキレーターよりも格段に強い阻害活性を示した。同化合物によるFTase阻害は亜鉛の添加により抑えられることから、化合物はFTaseの亜鉛部位に作用していることが示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)