Project/Area Number |
10133249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
杉森 彰 上智大学, 理工学部, 教授 (40053590)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | コバルタジチオレン / ラジカル置換 / 硫黄ラジカル / ベンゾイルチオ置換 / アルキリデン架橋 / イミド架橋 |
Research Abstract |
金属キレート環の共役場に置かれた金属--硫黄インターエレメント結合の特性に基づく反応特性を、芳香族性、不飽和性に注目しつつ研究した。 1) 芳香族性に基づく反応 (a)チオ安息香酸とラジカル発生剤との反応でベンゾイルチオラジカルを発生させ、コバルタジチオレンと反応させたところ、ジチオレン環にベンゾイルチオ置換を起こすことができた。ラジカル発生剤として、PAT (フェニルアゾトリフェニルメタン)を用いると効率良く置換が起こる。無置換のコバルタジチオレンでは、ベンゾイルチオ置換のほかに、非常に珍しい反応であるトリフェニルメチル置換が起こった。(b)ジスルフィドの熱、光および 放射線(ガンマ線)反応によるホモリシスで作った硫黄ラジカルでも置換反応を起こすことができた。側鎖にメチル基を持つコバルタジチオレン環では、環における置換と、側鎖における置換が並行して起こった。これらのことは、コバルタジチオレン環がトルエネと同じ反応を示すととを意味している。 2) 不飽和性に基づく反応 (a)金属-硫黄結合への付加反応を、アジド、イミノフェニルヨージナン(RN=I-Ph)、テトラシアノエチレンとの反応について検討し、いずれにおいいても架橋が起こることを見出し、その機構を明らかにした。(b)アルキリデン、イミド架橋部位は、熱、光、電極反応による電子の授受、酸・塩基等によって、多様な形式の脱離、開裂をおこす。興味深い反応の一つに、イミド付加体とLewis塩基の反応によるイミド基のシクロペンタジエニル環への転位がある。この反応にナイトレンが関与しているか否かについては結論が出ていない。
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