好塩性微細藻類が分泌する硫酸多糖及び修飾化硫酸多糖の生理活性とその評価
Project/Area Number |
10134209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中村 徳幸 東京農工大学, 工学部, 助教授 (20198229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 好塩性微細藻類 / 硫酸多糖 / 低分子化 / 生理活性 / 保水率 / チロシナーゼ活性阻害 / 重金属除去 |
Research Abstract |
本研究は、好塩性微細藻類Aphanocapsa halophytiaが分泌する硫酸多糖を基に、その修飾化した硫酸多糖の生理活性について評価することを目的として、硫酸多糖の最適生成条件の検討と精製、硫酸多糖および低分子化した硫酸多糖の生理活性の評価等の項目について実験を行った。藻体外に分泌された多糖の精製は、エタノール添加により得られた粗抽出物にセチルピリジニウムクロライドを加え、透析を繰り返すことにより行った。このA.halophytiaの生育にとって至適塩濃度は3〜10%であり、硫酸多糖精製は3%のとき最大となることが明らかになった。また、構成糖の分析の結果から、この硫酸多糖を形成する主な糖はマンノース、フコースおよびグルコースであることが示され、硫酸基の含量は重量比で11.9%であることが分かった。そこで、培地中の塩化ナトリウム濃度を3%に調製し、培養を行ったところ、14日後に4.1×10^7cells/mlまで達し、培地中への硫酸多糖の分泌量は0.55g/lとなった。また、セチルピリジニウムクロライドを用いて精製した硫酸多糖の溶液に各種加水分解酵素を加え、低分子化について試みた。還元糖の増加量から、この硫酸多糖はケラタナーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼによって加水分解されることが示された。そこで生理活性として、保水性について調べた結果、測定開始から2時間後で保水率94.3%、20時間後でも58.0%の値を示した。これは、現在化粧品の保湿剤として用いられているヒアルロン酸と同程度、グリセリンよりは高い値であった。また、色素の沈着や美白効果の指標として用いられるチロシナーゼの活性阻害についても検討した結果、硫酸多糖はチロシナーゼの反応を活性化することが明らかになった。これに対し、ケラタナーゼで低分子化した硫酸多糖について同様に活性阻害を調べたところ、活性化されないことが分かった。この他、硫酸多糖を産生した藻体を利用した重金属の除去を行ったところ、クロムやスズの選択的な除去が認められた。
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Report
(1 results)
Research Products
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