Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
好アルカリ性バシラス属細菌41M-1株が生産するキシラナーゼは,反応の至適をアルカリ性領域(pH9.0)に有する「好アルカリ性」の酵素である.本酵素の触媒ドメインはN末端側に位置しており,そのC末端側にはキシラン結合ドメインが連結している.本特定領域研究では,41M-1株キシラナーゼのアルカリ性条件における基質認識ならびに触媒反応機構を分子レベルで解明することを目的とする.平成10年度は,好アルカリ性に関与するアミノ酸残基の特定,ならびにキシラン結合ドメインのファージディスプレイを行った. 41M-1株キシラナーゼの好アルカリ性に関与するアミノ酸残基を特定する目的で,その触媒ドメインにアミノ酸置換を施した変異型酵素を種々調製し,野生型酵素と比較した.その結果,Asp20をAsnに,あるいはTrp144をPheに置換した変異型酵素については,反応至適pHの中性域(pH6.0)へのシフトが観察された.すなわち,これら2つのアミノ酸残基の好アルカリ性への関与,ならびにアミノ酸置換による反応至適pHの人工制御の可能性が示唆された. 41Nl-1株キシラナーゼのキシラン結合ドメインをコードするDNA断片をファージディスプレイ用ベクターに連結し,ファージディスプレイを試みた.抗41M-1株キシラナーゼ抗体を用いることにより,キシラン結合ドメインがファージディスプレイされたことが確認された.しかしながら,ファージ表面上にディスプレイされたキシラン結合ドメインの不溶性キシランへの結合能は低く,ディスプレイ効率が低いこと,あるいはディスプレイされたキシラン結合ドメインの高次構造が不適切であるなどの理由が考えられた.
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