HIV感染のセカンドレセプターを標的としたエイズ治療薬の開発
Project/Area Number |
10134229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中島 秀喜 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (20192669)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | マングローブ抽出多糖体 / 抗HIV作用 / MAGIアッセイ / CCR-5 / CXCR-4 / ウイルス吸着阻害 / ファージクローン |
Research Abstract |
1) Rhizophora apiculata抽出多糖体の抗HIV活性 マングローブの一種であるRhizophoraceae属のR.apiculataの乾燥葉末のアルカリ抽出液を種々のエターノール濃度で遠心操作をして沈殿物を回収し、MTT試験で抗HIV活性を評価した。活性がみられた沈殿物をCellulofine GC-700mカラムクロマトグラフィーで分画して、高い抗HIV活性を示すRAPを精製した。RAPは、中性糖およびウロン酸をそれぞれ41.43%、17.24%含んでおり、HPLCでの分析の結果、ガラクトースを主成分とした多糖体であることが判明した。RAPは、MT-4細胞を感染標的とした実験系で、HIV-1感染による細胞傷害を6.52μg/mlの濃度で50%阻止(EC50)した。非感染MT-4細胞自身に対する50%細胞毒性(CC50)は1545.69μg/mlであり、有効係数(SI=CC50/EC50)が237であると評価できた。このRAPの抗ウィルス活性は、HIV-1のみならずHIV-2や、HIV-1株においても非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤であるネビラピン耐性ウイルスでも同等の活性を示した。さらに、HIV-1感染においてコレセプターとして働くケモカインレセプター、CXCR4やCCR5を発現したCD4陽性HeLa(HIV-LTR/β-gal)細胞を用いたMAGI(multinuclear activation of galactosidase indicator)アッセイを行った結果、T細胞指向性HIV-1株にもマクロファージ指向性株にも同様に活性を示すことが分かった。その抗HIV作用機序としては、ウィルス吸着阻害であった。RAPの血液抗凝固作用(APTT)を調べてみたところ、500mg/mlという高濃度でもRAPによるAPTTの延長は全く認められなかった。これらの結果から、マングローブ抽出多糖体は強い抗HIV活性を示す反面、知られている副作用は認められない、有効性の高い自然薬になる可能性が示唆された。 2) CCR5を標的としたファージクローンの抗HIV活性 gp120/CD4とCCR5との結合を阻害し、M-tropic HIV-1の細胞への感染を阻止することを目的として、ファージディスプレイライブラリーから抗CCR5抗体(2D7)に特異的に結合するファージを単離し、それぞれのファージに含まれる15残基のペプチドモチーフの解析を試みた。ファージの単離は、2D7を鋳型としたバイオパンニング法により行った。ELISAによるスクリーニングの結果、9クローンのファージが2D7との結合活性を示し、それらのファージに含まれる15残基のアミノ酸配列をシークエンスした結果、3種類のモチーフに分類することができた。また、これらのモチーフは2D7との特異的結合活性を示したことから、CCR15様モチーフとして機能している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)