拡散性に著しく差異のある金属間の多相拡散における界面の非平衡特性の解明
Project/Area Number |
10136203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 仁丈 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30292246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 嘉明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005411)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | カーケンドール効果 / ダーケンの関係式 / 相互拡散 / 異相界面 / 非平衡空孔 / Au-Fe / Au-Ni / トレーサー拡散 |
Research Abstract |
単相拡散対を用いた実験においては、相互拡散やカーケンドール効果はダーケンの式によってまったく矛盾なく説明されている。しかし、2つの相から構成されて異相界面を有する多相拡散対を用いた場合には、基本式であるダーケンの式が成立しない場合があることが本申請者らの研究によって明らかになってきた。これらは界面の非平衡特性に関係するものと考えられる。そこで本研究では、多相拡散対を用いて得られる相互拡散係数および固有拡散係数を単相拡散対から得られるものと詳細に比較検討して、その差異を定量的に明らかにし、多相拡散における正しい解析法を示すことを目的としている。このために通常の相互拡散の実験および放射性トレーサーを用いた自己拡散の実験を詳細に行なう。また、マルチプルマーカー法を用いた多相拡散対のカーケンドール効果の測定により異相界面近傍における原子流束および空孔流束を吟味し、多相拡散と単相拡散との現象の差異を明らかにする。本研究で用いられたAu-Ni系は全率固溶領域と2相分離領域が存在するため、異相界面の影響を調べるのに適している。また、Au-Fe系では、α-γ変態を利用することにより拡散対を構成する金属間の拡散性の差異を変化させることができる。 Au-Ni、Au-Fe系において相互拡散係数、固有拡散係数およびトレーサー拡散係数を測定し比較検討したところ、以下の知見を得た。(1)ダーケンの式が成立しない条件は異相界面の存在と拡散対を構成する金属間の拡散性の差異が大きいことである。(2)またその理由は空孔流束の変化を考慮していないことが原因であると考えられる。(3)ダーケンの式が成立しない組成範囲は界面近傍のみならず広い濃度範囲に及ぶことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)