分子動力学法に基づく格子ダイナミクス可視化システムによる相変態研究
Project/Area Number |
10136220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武藤 俊介 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (20209985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 宗孝 富士通(株), 計算科学研究センター, 研究員
吉田 朋子 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90283415)
田辺 哲朗 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (00029331)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 相変態 / 分子動力学法 / 透過電子顕微鏡法 / 点欠陥 / フォノン異常 / 電子エネルギー損失分光 / 核生成 / 原子間ポテンシャル |
Research Abstract |
本年度は、原子挿入法によるZrおよびNi-Al系原子間ポテンシャルを利用したオメガ相変態の分子動力学シミュレーションを行った。ここで組み込まれた原子間ポテンシャルはフォノンの分散関係を正しく再現しており、これに関係する格子振動と点欠陥のカップリングが相変態を引き起こす原子変位をピン留めする可能性が示唆された。もう一つの成果は、電子照射下における黒鉛の構造変化を化学結合変化の立場から実験的に捉えたことである。電子エネルギー損失分光法の一つである広域電子エネルギー損失微細構造の解析を応用し、化学結合変化に伴う微妙な結合長の変化を捉えることに成功した。更に高分解能電子顕微鏡観察を併用することによって、この結合変化が五員環などの奇数員環の生成する事に起因していることを示した。更に、また一つの成果として、シンクロトロン放射光照射による非晶質シリコンの構造緩和現象の研究が挙げられる。これは強いX線を照射することによってシリコン原子の内殻電子を励起し、それに続いて起こるオージェ過程または局所的なフォノンを通じてのエネルギー散逸による原子移動現象と捉えられる。我々は上に挙げた広域電子エネルギー損失微細構造の解析およびホローコーン照明暗視野法を利用して、放射光照射による非晶質構造の配位数増加、中範囲秩序の増大を実験的に示すことができた。これらは無秩序構造のキャラクタリゼーションという観点からも新たな手法を提供したと位置づけることができる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)