Project/Area Number |
10136222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小貫 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90112284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 量一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10263401)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 相転移ダイナミクス / パターン形成 / 弾性効果 / 構造相転移 / 前駆現象 / ガラスのダイナミクス / ガラス中の拡散 / 過冷却液体 |
Research Abstract |
1) 構造相転移における中間状態の提唱。 数多くのマルテンザイト転移をする固体では前駆現象として知られている異常な効果がある。即ち転移温度の周りのある温度範囲で低温相と高温相が共存する。ここでは今まで気がつかれていなかった「非線型弾性効果による共存メカニズム」を示を提唱した。即ちある温度範囲で低温相が高温相中に埋め込まれた中間状態が平衡状態もしくは準安定状態として存在するようになることが示した。 2) 過冷却液体中での拡散の研究。 液体ではそれぞれの粒子が勝手にほとんど無相関に運動しているが、ガラス状態に近づくにつれて勝手な運動は活性化エネルギーが高いために凍結される。結果としてガラス転移の近傍では、1つ1つの粒子の運動に強い相関をもった共同運動が生き残り、それが系の動的性質を支配することが最近の実験や計算機シミュレーションで示唆されている。最近我々は大規模な分子動力学シミュレーションを行い、動的不均一性という新しい概念を導入することにより過冷却・ガラス状物質の動的性質やレオロジーを理解しようと試みた。この動的不均一性は粒子の共同運動を反映した量である。我々のシミュレーションでは液体からガラス状態に近づくにつれて動的不均一性の空間的な大きさを示す相関長が増大することを確認している。さらにこの不均一性の相関長と系の動的性質との間にスケーリング則が成立していることを見出した。これまでの解析により、過冷却状態では動きやすい粒子と動きにくい粒子がガウス分布で期待されるよりずっと幅広く分布しており、それが長時間での拡散運動のStokes-Einstein則からの大きな破れを引き起こしていることがわかった。そしてそのような動きやすい粒子の空間分布を調べた。
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