拡散型相変態における界面移動に及ぼす微量第三成分の影響
Project/Area Number |
10136241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
下崎 敏唯 九州工業大学, 機器分析センター, 助教授 (00093964)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 反応拡散 / スキャベンジング効果 / IF-steel / FeSi2 / Fe3Si / 不純物効果 |
Research Abstract |
【目的】材料の特性が微量元素により著しく改善されることがある。拡散現象でもAl配線のエレクトロマイグレーションが微量のCuで改善された。また、溶融亜鉛メッキ鋼板の化合物相の成長がZn浴中へ0.1mass%程度のAl添加することで抑制され、逆に鉄に微量のSiが添加されると化合物が異常に成長する。本研究は異なる純度の鉄を用いてFe-Si系反応拡散を行い、結果に著しい差異が生じたのでFeシリサイドの成長速度に与える微量不純物の影響について調べた。 【方法】純度の異なる3種類の鉄(市販の99.8%(2N)、99.99%(4N)及び溶融亜鉛メッキ用鋼板であるIF-stee)と方位〈100〉厚さ0.5mmのSi単結晶ウエハを用いた。FeとSiは10mmx10mmx0.5〜2mmとし、接合面を鏡面研磨、2x10-3Paの真空炉で0.5MPaの低荷重下で加熱した。実験温度は973K〜1223Kとし、拡散後、EPMAおよびX線回折装置による組織観察を行った。 【結果】Fe/Si拡散対内にはFe3Si、FeSiおよびFeSi2相が形成された。IF-steelおよび99.8%Fe/SiではFe3Siが一番厚く、FeSi2はほとんど成長しない。99.99%Fe/Siでは3種類のシリサイドがほぼ同じ厚さに成長する。全相の厚さはFeの種類に依存して著しく異なり、IF-steelでは4N-Feのおよそ10倍となった。 IF-steelには添加元素としてTi、2N-FeにはMn、4N-Feには酸素が多く含まれている。Fe/シリサイド界面に4N-Feではカーケンドールボイド、IF-steelではTi、2N-FeではMnの凝集が見られ4N-Fe中の酸素が成長速度を抑制し、IF-steelに添加されているTiが酸素の抑制効果を取り除いていると考えることによって、この成長挙動が上手く説明できる。本研究の最終目的は反応拡散法によって熱電変換材料であるFeSi2を作成することにある。この目的のためにはIF-steelを用いる方がFeSi2の作成が効率よく行えることが示唆される。
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Report
(1 results)
Research Products
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