Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
ゼオライトの合成には通常Structure Directing Agent(SDA)として有機アミン分子の共存が必要である場合が多く,これら有機アミンのゼオライト結晶化に果たす役割を明らかにすることはゼオライトの結晶化のメカニズムを明らかにする上で重要となる。本研究では我々の開発したドライゲルコンバージョン(DGC)法によりゼオライト合成を行い,生成物に与えるSDAの効果の検討およびドライゲルの相変態途中における生成物のキャラクタリゼーションをおこなった。 分子内のアルキル鎖長を変化させた有機アミンをSDAとして用いた場合,結晶構造の異なるゼオライトが合成された。SDAは,アルキル鎖長が得られるゼオライトの細孔径やintersectionの大きさを限定するものではなく,生成するゼオライトの構造を決定づける役割を果たしている。特にBEAにおいて,テトラエチルアンモニウム(TEA)カチオンがゼオライト骨格と相互作用し結合種を形成していること等を見出した。これらのことは,TEAがBEAゼオライト結晶化過程において重要な役割を担っていることを意味している。 ドライゲルからBEAへの相変態過程を追跡した。結晶化時間の異なるサンプルをSEMにて観察した結果,XRDでは回折線が得られなかったサンプルにおいても,BEAの前駆体と思われる微粒子の生成が見られた。回折線が現れる前にも分子・原子レベルでのBEA前駆体の生成は進行していると推察される。これらの^<29>Si-NMRおよび^<13>C-NMRの結果から,ドライゲル内の親水基であるSi-O-Hが徐々に脱水縮合して疎水基であるSi-O-Siが形成され,TEA周りから徐々にゼオライト骨格が形成されて相変態されてゆくことがわかった。要するに,ドライゲルからBEAゼオライトへの相変態は分子・原子レベルでは経時的に徐々に進行するものの,XRDで観察されるような長周期的規則構造の発達はある程度結晶化が進行した後に急速に起きるものと結論した。
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