炭素材料を用いた新規ホスト-ゲスト系の開拓と新物性発現
Project/Area Number |
10137214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榎 敏明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10113424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40251607)
佐藤 博彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (90262261)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 活性炭素繊維 / ランダム電子系 / 気体吸着 / SP^3 / SP^2混合電子系 / スピングラス / 電気電導度 / フッ素付加 / 非局在的欠陥 |
Research Abstract |
ナノダイヤモンドの熱処理により得られるナノグラファイト及びその-アルカリ金属インターカレーション化合物の研究を行った。また、ナノグラファイト集団の問題としては、活性炭素繊維(ACF)の磁気抵抗測定を行った。ナノダイヤモンド熱処理より得られるナノグラファイトの構造は多面体構造を有し、その各面は1枚が7-8nmの広がりを持つグラフェンが3-6枚積層した構造となり、多面体の中心は中空となっていることがわかった。電子状態に関しては、フェルミ準位付近の電子構造にエッジ状態が大きく寄与していることが明らかとなった。ナノグラファイトにカリウムをインターカレートさせると、ほぼ、ステージ1構造の組成(C8K)まで、カリウムがインターカレートされることが明らかとなった。磁化率、ESRの結果から、パウリ磁化率はほぼ同じ組成のバルクなカリウム-グラファイト層間化合物と同じ値を有することが見出され、カリウムからグラファイトへの電荷移動により、フェルミ準位が上昇したことにより、エッジ状態がフェルミ準位から姿を消したことが示唆された。ACFの熱処理による構造の秩序化と電子状態との相関を調べるため1300℃以上で熱処理したACFの15Tまでの磁気抵抗測定を行った。HTT2200℃以上のサンプルでは常に負の磁気抵抗が観測された。磁気抵抗の磁場依存性は低磁場約0.5Tまでは磁場の2乗に比例する挙動を示すが、高磁場約3T以上では磁場の1乗に比例する挙動を示し負の磁気抵抗が飽和する挙動は示さない。一方、HTT1900℃以下のサンプルはHTT2200℃以上のものとは全く異なり、低磁場約1.5Tまでは負の磁気抵抗が観測されたが、それ以上の磁場では正に転じる.また、HTT1300℃のサンプルでは負の磁気抵抗は観測されなかった。解析の結果、HTT2200℃以上のサンプルはフェルミ準位が浅く磁場中でn=0のランダウ準位が占有され大きな状態密度が発生し、負の磁気抵抗が発生すると考えられるが、HTT1900℃以下のサンプルはフェルミ準位が深く、フェルミ準位がn=0のランダウ準位を横切らないため負の磁気抵抗が観測されなくなると結論された。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)