半導体超構造に於けるスカーミオン(スピン・電荷結合励起)
Project/Area Number |
10138203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江澤 潤一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90133925)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 量子ホール効果 / 2層量子ホール系 / 複合ボソン / 分数統計 / スカーミオン / 量子位相 / 渦励起 / 巨視的量子コヒーレン |
Research Abstract |
量子ホール系におけるスカーミオンに関して理論的および実験的研究を行った。 第一の研究成果として、量子ホール効果を物理的によく説明する改良複合ボソン理論を完成した.最低ランダウ準位の基底状態はラフリンの波動関数Ψ_<LN>[X]で表され、一般の状態は解析関数ω[z]を掛けてΨ[x]=ω[z]Ψ_<LN>で記述される.私の改良複合ボソン理論は波動関数Ψ[x]からω[z]への写像として定義される.このω[z]を波動関数に持つ改良複合ボソンの場の理論を構成した。 第二の研究成果として、上記の改良複合ボソン理論を2層量子ホール系に適用して新しい励起状態を予言した。2層の自由度を擬スピンと呼ぶ。スピンと擬スピンの自由度がコヒーレントに絡み合ってSU(4)の自由度が実現することを示した.このSU(4)コヒーレント相において、SU(4)スカーミオンが存在し得ることを論証したのである。この励起はランダウ準位占有率がv=2で電荷2eを持つが、これは従来の準粒子励起と全く異なる特徴である。 第三の研究成果として、私が提唱した2層量子ホール系に対する複合ボソン理論のアイディアを検証する実験を東北大学理学部超低温研究施設と同大学電気通信研究所高速知能システム研究施設と共同で行い、新しい量子ホール状態の存在を確認した。我々は、2層量子ホール系で2層の電子密度を自由にコントロールして量子ホール状態の活性化エネルギーを測定した.更に、2層系を磁場中で回転して横磁場の効果も測定した.その結果、占有率v=1および2のホール状態は層間に巨視的量子コヒーレンスが自発的に発生した擬スピン強磁性状態である事を実験的に確かめた。更に、活性化エネルギーの振る舞いは、上記(第二研究成果)のSU(4)スカーミオンの励起によるものである、と考えて矛盾がない事を示した.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)