半導体/磁性体複合構造における量子伝導現象の理論的研究
Project/Area Number |
10138209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 順一郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60115532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 博介 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00293671)
前川 禎通 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005973)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 二重障壁トンネル接合 / 量子ドット / クーロンブロッケード / 磁気抵抗効果 / ハイブリッド型トンネル接合 |
Research Abstract |
半導体に微細加工を施し、新物性を見出し、それにより機能材料を創製する試みが非常に活発に行われている。その一つとして半導体へテロ接合での2次元電子ガスを用いた単電子トンネル効果の研究が挙げられる。そこでは、量子ドットと呼ばれる微小領域での帯電効果(クーロンブロッケード)が重要な役割を果たしている。最近では、量子ドットにスピンの自由度を導入することが注目を浴びている。本課題では、このような系における磁気抵抗効果を中心に研究を行った。本研究の対象は強磁性体(F)と常磁性体(P)の組み合わせからなる二重障壁構造を有する系である。組み合わせとして、強磁性体/常(強)磁性体/強磁性体を取り上げた。二つの強磁性体に挟まれた微小領域を以下ドットと呼ぶ。得られた主な結果は以下の通りである。 ●ドット内のスピン緩和時間がゼロの場合、ドットが常磁性体の場合には磁気抵抗は生じない。しかし、スピン緩和時間が長くなると、磁気抵抗効果が増大し、ドットが常磁性体でも磁気抵抗が生じる。 ●単一ドット系での磁気抵抗の測定にくらべ、強磁性トンネル接合の絶縁層にドットを埋めこんだハイブリッド型トンネル接合での測定は容易である。そこでドットに働く静電ポテンシャルとエネルギー準位が一様に分布していると仮定し、コンダクタンスと磁気抵抗の温度依存性を求めた。その結果、低温になると、磁気抵抗が増大すること、コンダクタンズが温度に比例して減少することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)