格子正則化によるフェルミオン数非保存過程の非摂動的記述
Project/Area Number |
10140214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊川 芳夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20252421)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | カイラル対称性 / 格子ゲージ理論 / OVERLAP FORMALISM / Ginsparg-Wilson関係式 |
Research Abstract |
overlap formalismによって記述されるDirac fermionは、局所的な作用をもち、そのDirac演算子はGinsparg-Wilson関係式をみたす。これにもとづいて、格子上で厳密なchiral symmetryが定式化できることが、最近、明らかになった。平成10年度は、この格子chiral対称性のもつ性質について次の研究を行った。 1. 格子chiral symmetryにともなうchiral anomalyは、fermion積分測度の変換Jacobianとして、得られる。Jacobianは、Dirac演算子によって直接あらわすことができる局所的な量であり、Dirac演算子のIndexを与える。我々は、このJacobianを弱結合展開によって評価し、局所的なanomalyが正しく得られることを示した。 2. 厳密なchiral symmetryに伴うaxial currentの具体的な構成法を明らかにした。 3. 作用のもつ厳密な格子chiral symmetryが、overlap formalismにおいて中心的な役割を果たすfermion hamil-tonian systemのもつ対称性と、直接、関係していることを明らかにした。 4. domain-wall fermionは、overlap formalismの基礎を与える。domain-wall fermionの低エネルギー有効作用を直接、導出することによって、domain-wall fermionの有効作用がもつchiral対称性とGinsparg-Wilson関係式にもとづく、厳密な格子chiral対称性との関係を明らかにした。 domain-wall fermionは数値計算に適している。上記、4の研究によって、domain-wall fermionで測定可能なアノマリーが、Dirac operatorのIndexと直接関係していることが明らかになった。この点を踏まえて、Neutron Electric Dipole Momentの計算方法の考察を進めていく計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)