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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
3種類の処理方法で作製した無機質複合化木材の性能を検討した結果,次の研究成果を得た。 1) 水ガラス-ホウ素化合物系処理 (1)溶脱性 ホウ素化合物の単独含浸処理ではほとんど溶脱するのに対して,二重拡散処理では不溶性無機質の形成率は50〜70%であった。(2)寸法安定性 吸湿性はあるけれども,ある程度の寸法安定効果があった。(3)難燃性 ミクロバーナーを使った難燃性試験では,特に酸化ホウ素を用いた場合優れた難燃効果が認められた。(4)耐朽性 褐色腐朽菌および白色腐朽菌に対して良好な耐朽効果があった。特にホウ酸と酸化ホウ素処理は優れた耐朽性を示した。(5)耐蟻性 シロアリを用いた耐蟻性試験では,重量減少が非常に少なく,また職蟻と兵蟻の死虫率もほとんど100%で優れた耐蟻性を示した。(5)力学的性質 曲げ強さや曲げヤング率は無処理材に比べて向上して剛性が高まるが,もろくなった。側面の硬さおよび耐摩耗性はバルキングとアルカリによる木質部の劣化により低下した。 2) コロイダルシリカ溶液処理 (1)溶脱性 不溶性無機質の形成率は95%に近く,ケイ酸ゲルは大部分が固着して耐溶脱性を示した。(2)寸法安定性 同様に吸湿性を示すが,多少の寸法安定性があった。(3)難燃性 ホウ酸を添加した溶液系では優れた難燃効果があった。(4)耐朽性 2種の腐朽菌に対して重量減少がほとんど生じなく,優れた耐朽性能を示した。(5)耐蟻性 ホウ酸を添加した溶液系では,重量減少がごく僅かであり,また職蟻,兵蟻の死虫率も100%であったことから,非常に優れた耐蟻性能を示した。(6)力学的性質 曲げ強さや曲げヤング率は,ある範囲までの重量増加率では無処理材よりも向上した。衝撃曲げ吸収エネルギーも増大する。硬さは向上したが,耐摩耗性は低下した。(7)耐光性 紫外線照射による耐光性試験では,色差の変化が無処理材よりも小さく,耐光性の向上が認められた。特に,二酸化チタンを添加した溶液系では色差の変化が最も小さかった。 3) エステル化木材-ケイ酸ゲル複合体 アセチル化木材またはプロピオニル化木材とケイ酸ゲルとの複合体は,単独のエステル化木材よりも寸法安定性を低下させるけれども高い水準を維持していた。酸素指数による難燃性試験では,ケイ酸ゲルの増加とともに難燃効果が認められた。
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