水産加工製品の生産プロセスにおける現状フロー解析とゼロエミッション化の検討
Project/Area Number |
10141245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
高崎 みつる 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (90163188)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 水産加工製品 / 廃棄物 / 生物処理汚泥 / 浮上分離汚泥 / スクリーンかす / 組成成分 / 農地還元 / 必須元素 |
Research Abstract |
研究目的 水産加工製品製造に伴う外向きフラックスの内、固形廃棄物に着目し処理形態の違いに伴う成分の違いについて検討した。現行では廃棄固形物の最終受入先である農地を経由して河川から海へと物質循環していく過程を考慮し、最終的に水産加工物由来の廃棄物が海の生産に貢献するために、最適な処分形態について考察した。 結果と考察 石巻市の水産加工廃水処理場は、活性汚泥処理を中心とした生物処理と浮上分離を組み合わせ各々から出た廃棄物は肥料業者に引き取られていく。発生する汚泥の種類が農地を経由した物質フローの中でどのような意味を持つか調べるため、以下のような調査と分析を行った。一つは浮上分離のon/offが生物処理汚泥性状(N/P比)に与える影響と、(未利用な例もある)スクリーン滓と骨、ウロコと汚泥の成分分析を行い、これを農地組成や河川下流ヘドロ組成、湖沼底質と比較した。二つめは農地経由で河川に流下し海へと向かう流れの中で、河川成分の変動と生物生産に関与する要因の特徴を把握する為の基礎的考察を行った。対象は北上川で春から冬にかけての連続的な水質測定である。 水産加工製品の製造過程で発星する廃棄物の割合は、たら、吉次など約80%とハモなどで約50%と異なり、残りは骨、肉、水溶性タンパク、血水などである。前者2つはスクリーンなどで分離され、後者は廃水として処理される。廃水処理が活性汚泥処理だけの時、浮上分離が全段に入っている時で生物処理汚泥のN/Pは約1.8から約1.3へと減少する。また、浮上分離汚泥、スクリーン滓、骨、ウロコのN/Pは,各々およそ0.7、0.3、0.2、0.17となっていた。一方、余剰汚泥やスクリーン滓には、Si,K,Ca,Mg,Mn,FeといったN,P以外の必須成分をもバランスよく含んでいる,これは、現在未利用な例もあるスクリーン滓に最も顕著であった。しかし、一方で、北上川の河口に近い岸辺のヘドロに比べそれぞれ約10000倍、3800倍以上のCdが、また200〜1900倍程度のPbが含まれていた。この影響が水産加工廃水処理汚泥の連続使用などで問題無いかどうか検討する必要もあるだろう。 北上川のT-P、T-Nは鉄のような流量に連動するような挙動や、CaやNa,MgなどのようにpHに似た挙動を示すものでは無い。人為的な影響を受けているとも考えられ、河川を通して海の生態系への影響を考える必要もあるだろう。北上川ではN/P比が、24:1から40:1程度と窒素過剰の傾向を示していた。今後以上のような点も考え、水産系廃棄物に相応しい展開を考えていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)