写真関連産業における廃棄物リサイクル手法の評価およびゼロエミッション化の検討
Project/Area Number |
10141250
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常田 聡 早稲田大学, 理工学部, 講師 (30281645)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 写真廃液 / 現像廃液 / 現像主薬 / ハライドイオン / 電気透析 / 物質フロー / リサイクル / ゼロエミッション |
Research Abstract |
本研究では,写真関連産業の中で特に排出量が多く環境負荷が高い写真廃液に関してゼロエミッション化の検討を行った。今回は特に,現像廃液を取り上げ,再生利用のための要素技術を提案し,ゼロエミッション化のための必要条件を模索した。 もともと現像液や定着液は,数回の使用であればそれほど大きな支障もなく再利用できる。しかしながら,このような単純な直接再利用では,すぐに阻害物質の蓄積により現像活性が低下し,品質悪化を招いてしまう。中でも現像主薬酸化物,ハライドイオン,有機抑制剤及び染料は,写真特性の感度やコントラストを低下させるため,廃液の再利用を困難にしている。 そこで,写真廃液の再生を行うには,次の三つのプロセスが必要である。 1) 現像主薬酸化物の還元による再生 2) 乳剤から溶出した有機抑制剤や染料及びハライドイオンの除去 3) 現像主薬,その他の不足成分の添加 これらの要素技術について調査した結果,電気透析法および特殊吸着剤を併用することによって上述の2)のプロセスが実現できることがわかった。また,すでに帝人エンジニアリング株式会社がこの手法を用いて写真廃液再生システムを開発し,従来廃棄されていた現像廃液中の未使用現像主薬などをリサイクルしていることがわかった。 しかしながらこの再生装置での物質フローを解析した結果,より完全なゼロエミッション化の実現に近づけるためには,現像主薬酸化物やハライドイオンの再利用化を図ることが必要であることがわかった。 このように,写真廃液に関して可能な限りの再生化によって,ゼロエミッションを目指すことが重要な柱であるが,同時に,視点を広く持って,フィルムから写真廃液中へ溶出してきた成分(ハライドイオンや銀)は感光材製造工程に戻して利用するなど,写真関連産業全体でのゼロエミッション化を実現する取り組みが今後の課題であると思われる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)