セメント・コンクリートを中心とする産業クラスターにおけるマテリアルフロー勘定
Project/Area Number |
10141251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
天野 耕二 立命館大学, 理工学部, 助教授 (80167957)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | マテリアルフロー勘定 / 総資源必要量 / マテリアルバランス分析 |
Research Abstract |
ゼロエミッション化を目指す代表的な産業クラスターとしてのセメント・コンクリート関連産業に関わる多様な物質のフローについてマテリアルフロー分析手法を適用し,関連するすべてのプロセスにおいて計上されるマテリアルフロー勘定を総合的に評価した。総投入量TMR(総資源必要量),その中でも原材料などの直接投入されるフロー量DMI(直接資源投入量),土の移動や輸入に伴う間接的なフローという経済活動に表れないフロー量HMF(DMIに付随するフロー量)などをマテリアルフロー勘定における指標として用いた。生コンクリート産業には大量のセメントがセメント産業から投入されていることから,生産量当たりの原単位の作成を行い,生コンクリート産業の評価を行う際に生コンクリート産業にセメントが投入されるためにどれだけの自然資源が消費されているかを原単位より算出した。これにより,生コンクリート産業だけで算出したDMI,TMRと比べ原単位にして0.5tから0.6t程度増加した値を得た。このように原単位を用いて産業としてのTMRを明らかにすることにより,生コンクリート産業がもつ真の自然資源使用量を明らかにできた。さらに,石灰石の主成分であるカルシウムの移動を追うことにより石灰石のマテリアルフローを分析し,このフローにより石灰質原料に関するセメント産業,生コンクリート産業を取り巻く他の産業との関係が明確となった。両産業は化学工業,鉄鋼産業より大量の廃棄副産物(化学石膏,高炉スラグ等)を石灰質原料として取り入れているが,化学工業からの投入により788(千t),鉄鋼産業からの投入により3,915(千t)のカルシウムが廃棄副産物の投入により節約されたこととなる。実際に投入されている石灰石のカルシウム分と比べると少量の節約ではあるが,循環型社会形成に貢献しているという点においては評価に値すると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
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